よい影響
現実逃避をしたい僕は実家の掃除を心の拠り所にしている。過去を捨てれば捨てるだけ、何か新しいものが新鮮な風のように入ってくるんじゃないかと思っている。
多少なりとも僕の大胆な大掃除が家族にも影響を与えたのかもしれなくて、家族も自身のものを整理し出した。
絶対捨てたくないと思ってたものを捨てたと母が伝えてくれたのは、嬉しい反面、残念な気もした。
というのも、大事なもの以前に捨てるものがこの家には大量にあるからだ。
使っていない食器、他界した家族の残した古書、もう飼っていない猫の猫砂。。。なぜそこでまず大事なものを捨ててしまうのか僕には理解できない。けど側からみたら僕も同じことをしているのかもしれない。
今日は日記や辞書など、いつか見返す時が来ると思ったまま20年近く経った書類を捨てた。
僕にとっては重要じゃない。本当のところは、見返さなくても、僕は生きていけるという自信が持てたから捨てたのであって、僕にとっては大事なものではもうないのだ。
言ってみれば、これらの書類はそれまで僕を見守っていてくれたのだ、得手して、これらの書類は役目を終えたのだという結末に僕がたどり着けたから処分することにした。
側からみたら、いつか読み返すはずだった書類を諦めたように見えるだろう。だからきっと母も何かしらの感情を乗り越えて、前向きな気持ちで捨てることにしたのだと思いたい。
僕は、明日からもまだまだものを捨てていくつもりだ。
「いつか使うかも」で物が溜まっている事実は、そのいつかは来ない、来なくても大丈夫という事実に辿り着けた僕にとっては有利で、追い風を受けながら掃除を前へ前へと進めていける。
片付いた僕の部屋が、自然と周りにも良い影響を与えてくれることを願っている。